オフィス・事務所を退去する時に必ず発生するのが「原状回復」です。原状回復は絶対に行わなければいけません。
しかし入居している場所によっては、原状回復に関するトラブルが起きることも…。トラブルには、極力巻き込まれたくないものです。
そこで今回は原状回復の概要・範囲を解説しつつ、トラブルを防ぐコツについても紹介します。
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2021.04.05 オフィス原状回復豆知識
オフィス・事務所を退去する時に必ず発生するのが「原状回復」です。原状回復は絶対に行わなければいけません。
しかし入居している場所によっては、原状回復に関するトラブルが起きることも…。トラブルには、極力巻き込まれたくないものです。
そこで今回は原状回復の概要・範囲を解説しつつ、トラブルを防ぐコツについても紹介します。
原状回復とは契約解除日が決まった後、退去日までに室内を入居前の状況に戻すことです。仮に入居後、壁を取り付けた場合であれば壁を撤去し入居前の状況に戻すイメージです。
原状回復の費用は借主が全額負担する場合が殆どですが一部、貸主が一部負担する場合もあります。
負担割合については、建物を借りている用途・契約内容などによって異なります。
住居・オフィスともに原状回復義務があるものの、借主が負担する原状回復の割合は、それぞれ異なります。ここでは、住居・オフィスの原状回復事情を見てみましょう。
住居の原状回復費は、一部の支払のみで大丈夫です。生活を送っている時にどうしても付いてしまう傷や汚れ(例.テーブルを置いて付いてしまった跡)の原状回復については「貸主負担」となります。
住居の場合は居住者以外の人が頻繁に出入りする可能性は低いため、退去後に発生する原状回復費を推測しやすいです。推測された原状回復費は賃料に含まれているため、退去後に原状回復費用を全て支払うことはありません。
オフィスの原状回復費は、全額負担しなければいけません。賃貸人側で入居時に発生する損耗を予想できないためです。
オフィスの場合、従業員だけではなく顧客や取引先など、様々な人が出入りします。住居のように何人出入りするか分からないため、退去後の原状回復費を推測するのは困難です。
原状回復費を予想できないため、住居を借りた場合と違って賃料に含められていません。したがって退去時には、借主が全ての原状回復費を支払うことになっています。
ただしオフィスによっては、従業員しか出入りしないケースもあります。その場合は、住居の原状回復と同じパターンで扱われる可能性が高いです。
場合によっては、借主と管理会社が原状回復で揉めることもあります。ここでは、どんなことで揉めてしまうのか見てみましょう。
原状回復の内容が曖昧
原状回復の内容が曖昧だと、借主と管理会社の間で食い違いが起こってしまいトラブルに発展する場合があります。内容が曖昧になっている例は、下記の通りです。
例1.「エアコンの清掃が必要(エアコン清掃)」と載っている
→フィルターと吹き出し口の清掃のみで良いのか、室内機を分解して洗浄しなければいけないのか分からない。
例2.「ビス穴が空いた天井の交換が必要(既存部分の修繕修復)」と載っている
→ビス穴の補修のみで良いのか、天井材を新品に交換しなければいけないのか分からない。
例3.「工事の日にちのみ(不明確な工事制限)」が載っている
→工事の時間帯が分からない。日中の場合もあれば、夜の場合もある。
原状回復工事前に曖昧な部分を明確化しておくことが、
天井設備についても原状回復するように言われた
天井設備についても、原状回復するように言われて揉めるケースです。企業様の中には、工事業者が入居工事の時に天井設備を処分してしまう場合があります。
とくに上記の天井設備は、入居工事の時に捨てられることが多いです。基本的には、天井設備を元に戻すことも原状回復に含まれます。
したがって原状回復費を抑えるには、撤去した天井設備も退去日まで保管しておかなければいけません。原状回復費を抑えるためにも入居工事を依頼する時は、天井設備を保管できる場所があれば保管する事をお勧めします。
原状回復の費用が想定以上にかかってしまい、揉めるケースもあります。交渉して費用を抑えるのも可能ですが、原状回復の内容を知ってないと値下げ交渉をすることは難しいです。なぜなら、どの項目の金額が相場からかけ離れているか分からないからです。値下げ交渉をするには、それなりの根拠を示さないと納得してもらえません。結果、費用が高くても支払ってしまう場合が多いです。
原状回復で揉めないためには、対策・対処をすることが大事です。最後に、効果的な対策・対処方法を紹介します。
入居前には必ず契約書を結んでいますので、書いてある内容を確認しましょう。管理会社が変なことを言っていないか確認する時に有効です。
仮に管理会社との間でトラブルが起こっても、契約書の内容を確認する行為が火消しに役立つ場合もあります。
ただし手元に契約書がない時は、不動産会社から取り寄せなければなりません。届くまでに1~2週間かかることもあります。余裕を持って取り寄せましょう。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」とは、国土交通省が作成したガイドラインです。借主と貸主でトラブルが起こらないように、原状回復のルールやトラブル例などが載っています。住居を退去する人向けに書いてあるものの、オフィスの退去でも活用できる内容も載っています。原状回復のルールや事例を知りたい人におすすめです。
まとめ
原状回復によるトラブルは少なくありません。トラブルが起こると他の業務に支障をきたします。
他の業務に支障をきたすと、余計な人件費がかかります。それを防ぐためにも、円滑に原状回復をしましょう!