オフィス原状回復豆知識

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2020.04.05   オフィス原状回復豆知識

オフィスの原状回復義務は免れることはできない?

オフィスの原状回復義務は免れることはできない?

入居テナント側は、オフィスを退去する際、どのような理由であっても原状回復の義務が発生します。

原状回復の範囲は契約内容によって変化しますが、原状回復自体が義務であることが多いため、無くなるという事はほぼありません。

オフィスの原状回復は、入居テナント側であるオフィスと物件のビルオーナー側である管理人(賃貸人と賃借人)の関係が「営利を目的とする事業者」とみなされており、一般の居住物件の原状回復義務とは若干異なってきます。

消費者保護法は事業者に対して適用されず、オフィス側には原状回復の義務があると法的に判断されるため、一般的な賃貸物件では対象外である範囲も、オフィスの場合は義務の範囲内に収められることがあります。

範囲、金額、原状回復工事の過程に関する不服などとは別に、不服申し立てがある場合は契約条件などに則って判断されます。しかし、オフィスが原状回復工事自体の拒否を申し立てた場合は、その要求がそのまま通る可能性はほぼありません。

原状回復義務とは

オフィスの原状回復義務とは、退去の際に、オフィスを入居した当時の状態に復元してビルオーナー側に引き渡すことです。

根拠となっている法は、民法545条の解除の項になります。

第545条

1.当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。

2.前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。

3.解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

出典:民法第545条

トラブル対策の為に

・テナント側が設置したものは、テナント側の費用の中で取り除くこと

・入居中に、ビルオーナー側に設置を要求したものは、テナント側の費用で取り除くこと

・全てを取り外してオフィスを引き渡すだけでなく、汚れたり壊れたりした場所はきちんと取り除くこと

一般的な契約の場合、表現は様々ですが基本的な意味としては上記に当てはまるような一文が盛り込まれているものが大半です。

原状回復義務が生じるのは上記のような意味合いの文章が記載されている契約です。オフィス側は指定業者などに依頼をして原状回復工事を行う必要があります。この時、テナント側がオフィス契約時に支払った敷金が費用として当てられます。

契約時に、原状回復の範囲や金額を明確に特定することは不可能に近いでしょう。

契約書の文章には各々でニュアンスの違いや言葉の「幅」が生じるため、その違いや幅がトラブルを招く原因になっていることも事実です。

義務の及ぶ範囲や、その対象、回復されるべき原状がどこまでか?といった細かい点は、初めから明確に決めておくことはできません。これらはオフィスとしての利用条件によっても変わってくるからです。

オフィス側は、契約時の状態を明確に記録するために、日付が入るカメラなどで入居時の状態を撮影しておくことが大切です。また、オフィスと、管理人と指定業者の認識をしっかりと共有しておくようにしましょう。

責任と義務は、オフィスにも管理人にも契約を結んだ時点で発生します。良きビジネスパートナーであるために、互いが果たすべき義務をきちんと理解しあい、くれぐれも互いに責任を擦り付けないようにしましょう。

しっかりと時間の余裕を持った上で原状回復に臨み、トラブルを未然に防ぐことがベストです。

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